日本てんやわんや/漢字かな交じり文の惨劇
◆最近 目にした記事で、氣になつたのがこれです。
一部分コピペしてみます。
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『実は"識字率"が低下している? フェイクニュースを見抜けない日本人』
2018年11月27日 公開 一田和樹(作家、元IT企業役員)
<<特定の弁護士へ13万件という史上稀に見ぬ大量の懲戒請求が送付され、社会的な問題として報じられた。この件について『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』の著者である一田和樹氏は「ブログにかいてあった内容をそのまま信じて、扇動されていた」と同書で述べている。
(略)
■識字率が低ければ世論操作への耐性も弱化する
フェイクニュースを語る際に見落としがちな社会的問題がある。機能的識字能力の低さだ。文章を読んでも正しく意味を理解できない人々がいる。
日本の識字能力は世界でもトップレベルで100%に近いと信じている人もいるが、実は我が国は識字能力の調査を長い間行っておらず、義務教育修了をもって識字能力ありと判断しているだけだ。
最後に日本で識字率の調査が行われたのは1955年で識字率そのものは高かったが、機能的識字率は低かった。識字率の低さは世論操作への耐性に大きく関わっている。 機能的識字能力の低い人とは、極端な表現をすると「ツイッターはできても文章の意味は理解していない人たち」だ。ツイッター上でふつうに発言し、受け答えもしている。 しかし、そのやりとりをよく見ると相手の言っていることを明らかに理解していないように見えることがある。そんな経験がある人も多いだろう。その齟齬は機能的識字能力が低いことに起因している可能性がある。
(以下略)
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◆私に いはせれば、こんなことは 先刻わかつて ゐることで、
戦後の国語審議会が ガラパゴス日本語を いぢくりまはしてきた、
その成果ナレノハテ であるからして、ご同慶のイタリでは あります。
◆おのれのクニのコトバを あらはすのに、
ソトツクニの MoJi (KanJi) を つかつてきた、
日本伝統の アタマのヒガミGu(具)あひ。
いにしへ ヤマトのクニ(倭国)で しやべつて をつたコトバには、
これをしるす MoJi がなかつた。
いにしへの さかしきヒトにも MoJi を つくりだすことは
できなかつたのね。
◆そこへ、紀元3世紀を すぐるころ、
大陸Ⅽhina から KanJi なるものが つたはりはじめる。
そのサキガケは、ものの Hon(本)によると、だうやら
かの『論語』らしい。仏典はそのあと(6c半ば)である。
◆戦後「教育漢字」「常用漢字」なんぞといふアンチヨクな モノを こしらへ あげたのは、俗世に流通する文字に、
難読異読が おほすぎたためである。
戦前の出版界では、尋常小學校しか でてをらぬもののために
新聞雑誌文庫本のたぐひの漢字すべてに、 ルビなるモノをふつたものである。
これを「総ルビ」とよんだ。
今や、すつかり世間ズレしてしまつた『漢字検定』試験も、
そのヨミ読解問題にすべてルビをふれば、
合格者は 100パーセントに のぼるであらう。
「総ルビ」では 読解試験の意味は なくなるであらうから、
日本漢字能力検定協会は解散するしかあるまい。
◆さうなのである。
「ルビを ふられてをらぬ漢字をよめ」といふのは、
「みちアンナイもなしに、ジヤングルをいけ」といふのとおなじ、
グのコツチヤウ。
◉2020年は、AI元年の2018年からはや3年目、
難読漢字をよめる といふのは、単なる知識にすぎず、
AI の DATA量にくらべたら、ハナから勝負にならない。
ニンゲンの知的能力とは マッタク‐ゼンゼン‐カンケイない。
て いふか、「漢字検定」1級に合格したとて、
典型的記念碑になるだけでせう。
古典の漢文をよめたとしても、
北京官話での自己紹介も おぼつかぬ。
◆はなしを もとに もどすと、
現代日本に蔓延してをる「漢字かな交じり文」の國語の状況は、
笑ふに わらへぬ惨劇を呈してをる。
コピペ引用したコラムでは、識字能と読解力とを混同してゐる。
◆ご案内のとほり、
難読漢字に かぎらず、普通の漢字すら よめないものが大半の
ワガニツポンである。(このテンにカンしては、私も
ジンゴにおちないジシンがありますが、)
國政選挙でえらばれし ワガ選良の諸センセーの、
そのヘンの陣笠連ではなく、国務大臣のお歴々でも、
すべるのであります。 さきごろも、
「ミゾウユウ」「デンデン」と答弁書をよんだ日系議員がをりましたね。
◆ことほどさやうに、
読解力以上に、日本人の識字能を さげる表記法・文字體系を
もつてをるワガ日本、世界で唯一のクニなのでありました。
◆そのうへで、
文章や段落・章だてを緻密順當に よみくだすとなれば、
かなりの知識と推理力がいりませう。
そんなヤカラは、千にひとり、万にひとりも をりませぬ。
さすれば、
◆日本語の惨劇、これを修繕するには、
このブログで、ときおり ふれてをります、
和語の「漢字かな交じり文」を Roma字 表記にすれば、
カンタンに解決するワケでした。
ただし、それが、実現した あかつきにも、
ひとそれぞれの 読解力は そのまま
個々人の知力知能として 留保されます。
◆たとへば、
あちらの章とこちらの文では、かきとどめてあることが矛盾する。
自分のこしらへあげた失敗作を、つくりなほしもせずに
事態をどんどんわるくさせて、自分勝手に いかりつづける。
その 単純な矛盾に氣づかない、そのうへ
それらを神のコトバとして信じてゐる、推理力のなさ。
◆おもへば、あらゆる宗教の典籍は、
おおひなる誤讀 によつて
世々つたへられて きたのです。
これを「傳統の継承」と称します。
◆日本語の惨劇、これを修繕するには、
このブログで、ときおりふれてをります、
和語「漢字かな交じり文」を Roma字 表記にすれば、
カンタンに解決するワケでした。